大変まれな体験をしたので、記しておくことにした。
話たところ、とても詩的な感性を持っていると感じたので、小松未歩の歌詞みたいだと言ったら、音楽の仕事をしていると言う。なるほど。
その方の師匠は「ベートーベンが聞けないなら、ゲーム音楽を聴け」と言ったそうだ。そんなことを言うプロがいるとは。衝撃だった。
何でも知っている人だった。ロシア音楽も、合唱曲も、eurobeatも。そして、それらに共通するものも。「パラパラって頭の中カラカラ?」なんて言われても、コードを大きく動かしながら、基本に則った音への魅力は揺るがないものだ。
自分で調律してしまうそうだ。ほんとにいるとは思わなかった。しかも、10歳で。高音を高音に振ってしまうと、弦が切れて、心身ともにショックなのだそうだ。なるほど。
こんな人でも、忘れていたことがあるそうだ。歌を歌う、ということ。音楽について語ること。メロディを取って、和声のおいしいとこ取りをすること。
それは、音符に込められた共通言語による心の会話。それが、太古の昔から現代に伝わるということ。
…という夢、だったのだろうか。